この記事は 7 月 24 日に英語版ブログに掲載された記事を翻訳したものです。

The Keyword に同じ内容が投稿されています)

Gmail や Google ドキュメントなどのサービスの開始から、世界のメールを強化、保護してきた近年の AI や機械学習の発展にいたるまで、Google は過去 10 年の間に G Suite が成熟するさまを見てきました。現在では、400 万社以上の企業が G Suite を使用して仕事の進め方を見直しています。業務効率化、チームの連携強化、競争力向上のために G Suite を選択した多数の企業の中には、Whirlpool、Nielsen、BBVA、Broadcom などもあります。

この 1 年間、Google チームは G Suite ユーザーに約 300 の新機能を提供するために懸命に取り組んできました。本日は、組織で G Suite を使用して業務の生産性を高め、ビジネスを前進させる新しい方法をいくつかご紹介します。また、明日予定されている追加リリースにもご注目ください。

本日ご紹介するのは次の機能です。
 
  • セキュリティ センターの調査ツール(G Suite Enterprise と G Suite Enterprise for Education をご利用のお客様向けのアーリー アドプター プログラム* で提供)
  • データ リージョン(G Suite Business、G Suite Enterprise、G Suite Enterprise for Education をご利用のお客様を対象に提供)
  • Hangouts Chat のスマート リプライ(G Suite をご利用のお客様に近日提供予定)
  • スマート作成(G Suite をご利用のお客様に近日提供予定)
  • Google ドキュメントの文法提案機能(G Suiteをご利用のお客様向けのアーリー アドプター プログラムで本日より提供)
  • Hangouts Meet ハードウェアの音声コマンド(今年後半に Hangouts Meet ハードウェアをご利用の一部のお客様に提供予定)


安全を第一に

企業はセキュリティ管理の簡素化を必要としているため、今年の初めに G Suite のセキュリティ センターが導入されました。セキュリティ センターではセキュリティ分析、行動につながるインサイト、Google がおすすめする方法が 1 か所で提供されており、組織、データ、ユーザーの保護に役立ちます。

本日リリースされるのは、セキュリティ センターの新しい調査ツールです。これによりセキュリティ センターの予防機能と検知機能が統合的に改善されることになります。管理者は感染している可能性のあるユーザーを特定したり、外部と共有されているアイテムの有無を確認したり、ドライブ ファイルへのアクセス許可を取り消したり、悪意のあるメールを削除したりすることができます。シンプルな UI の調査ツールでデータのセキュリティを 1 か所で確認できるため、ログ分析のために複雑なスクリプトを作成する手間がかからず、脅威に対処しやすくなります。調査ツールは、現時点では G Suite Enterprise と G Suite Enterprise for Education をご利用のお客様向けのアーリー アドプター プログラム(EAP、英語)の一部として利用可能です。詳細
 
G Suite セキュリティ センターの調査ツール
新しい調査ツールにより、セキュリティ センターの予防機能と検知機能が統合的に改善されます。

Google は管理者がデータを安全に保てるようにするだけなく、透明性を確保し、必要な管理ができるよう常に努めています。そのために G Suite に追加されるのが、データ リージョンのサポートです。組織がデータ管理の要件を満たしている場合は、特定の G Suite アプリのプライマリ データを国境を越えて分散されたリージョン(米国または欧州)のどこに保存するかをお客様が選択できるようになります。データ リージョンの継続的な管理も簡単で、たとえばファイルのオーナーが変わったり、別の組織部門に移動したりした場合は、それに応じてデータも自動的に移動されますが、共同編集者はこれまでどおりファイルを利用することができます。さらに、ユーザーはデータの移動中もコンテンツに対する完全な編集権限を保持します。
 
G Suite のデータ リージョン
データ リージョンを使用して、特定の G Suite アプリのプライマリ データを国境を越えて分散されたリージョン(米国または欧州)のどこに保存するかをお客様が選択できるようになります。

G Suite を使用してグローバルなデータ ポリシーをチームで管理している PricewaterhouseCoopers International Limited(PwCIL)の IT ディレクター Rob Tollerton 氏は、こう語ってくれました。「PwC は 158 か国で事業を展開するグローバル ネットワークであるため、Google による G Suite のデータ リージョンへの対応をうれしく思っています。ドメインのマルチリージョン ポリシーをどれだけ簡単かつ直感的に設定、管理できるかについても期待しています」。

G Suite のデータ リージョンは現在、G Suite Business、G Suite Enterprise、G Suite Enterprise for Education をご利用のすべてのお客様に無料で提供されています。Google では継続的にサービスに投資しており、今後さらにサービスを拡大する予定です。詳細

単純作業は機械に

Google は長年にわたって AI や機械学習に投資してきましたが、AI は人間のスキルを置き換えるものではなく、人間のスキルを強化する(英語)、無限の可能性を秘めているものだと考えています。Google AI は、世界中にいる何百万人ものユーザーが Google のコンシューマー向けサービスでナビゲートしたり、コミュニケーションをとったり、作業を行ったりするのにすでに使用されています。G Suite は、企業や従業員がよい仕事をできるよう AI を使用して支援します。

多くの方に使われている Gmail のスマート リプライは日々何億通ものメールを処理し、メール返信の実に 10% 以上で利用されていますが、このたび Hangouts Chat にもスマート リプライが導入されることになりました。スマート リプライを使用するとメッセージにすばやく返信できるため時間を短縮できるので、業務に集中することができます。

返信が必要になりそうなメッセージが Google のテクノロジーによって認識され、一般的な応答と思われる返信が 3 つ提案されます。提案される返信は、職場にふさわしい文章でありながら、チャットにも使用できる程度にカジュアルな文章です。Hangouts Chat のスマート リプライは数週間以内に、G Suite をご利用のお客様に提供される予定です。
 
Hangouts Chat のスマートリプライ
Hangouts Chat のスマート リプライでは、返信が必要になりそうなメールが認識されて、一般的な応答と思われる 3 つの返信が提案されます。

スマート リプライを使用すると短い返信を簡単に送信できるので特に外出先で役に立ちますが、重要なメールの場合はより長く慎重に考える必要があることから、スマート作成(英語)が登場しました。スマート作成については、今年の Google I/O で Sundar Pichai が行ったスピーチで耳にした方もいるでしょう。スマート作成により、挨拶、署名、一般的なフレーズがオートコンプリートでメールに入力されるため、効率的に編集できます。スマート作成は 5 月にコンシューマー向けにリリースされましたが、G Suite をご利用のお客様の Gmail でも利用できる準備が整いました。

一般的なフレーズのオートコンプリートに加えて、スマート作成ではオフィスや自宅の住所などの個人情報が挿入されるため、反復的な作業に時間を費やす必要がなくなります。スマート作成を使用してもユーザー自身が入力したかのように見せるため、ユーザーが特定の人にメールで挨拶する言葉遣いを学ぶなど、スマート作成は時間の経過とともにより賢くなっていきます。

G Suite をご利用のお客様は、数週間以内に Gmail のスマート作成をご利用いただけるようになります。
 
Gmail のスマート作成
Gmail のスマート作成により、メールがオートコンプリートされます。

AI は、ユーザーがより明確かつ効果的な文章を書けるようにするためにも使用されています。変換ミスや文法上の誤りなどによって文章の意味が変わってしまうことがありますが、見落としてしまいがちです。そこで、Google ドキュメントに文法提案機能が導入されることになりました。文法を訂正するために機械翻訳ベースで独自にアプローチしてエラーを認識し、修正候補を表示します。文章中の冠詞の使い方(「a」と「an」など)のような単純な文法規則から、従属節の正しい使い方といったより複雑な文法概念まで、異なる種類の修正案が AI によって検出されます。この機能は機械学習によって時間の経過とともに向上し、より複雑な文法上の問題を検出するのに役立ちます。また、ドキュメントにもとから組み込まれているため、高い安全性と信頼性が確保されます。Google ドキュメントの文法提案機能は、現在アーリー アドプター プログラム(英語)でご利用いただけます。
 
Google ドキュメントの文法提案機能
Google ドキュメントの文法提案機能は独自の機械翻訳ベースのアプローチでエラーを認識し、修正候補を表示します。

Google では文章作成のほか、会議の改善にも取り組んでいます。昨年秋にリリースされた G Suite の Hangouts Meet ハードウェア(英語)により、組織は信頼性が高く、効果的なビデオ会議を大規模に開催できるようになりました。ビデオ会議への接続は難しいと考えているユーザーはまだたくさんいるため、Google AI を使用してより魅力的なユーザー エクスペリエンスを得られるようにしています。

多くのユーザーが Google アシスタントを積極的に活用し、スマートホームやエンターテインメントを音声で管理していますが、Hangouts Meet ハードウェアでも同様に音声コマンドを使用して数秒でチームをビデオ会議に接続できる機能が追加されます。この機能は今年中に、Hangouts Meet ハードウェアをご利用の一部のお客様に提供が開始される予定です。

G Suite で仕事を簡素化する

G Suite がビジネスに真の変革をもたらす理由の 1 つは、その使い方のシンプルさにあります。クラウドで生まれた G Suite は クラウドのために構築されているため、リアルタイムでの共同作業はお手のものです。これこそが Gmail、ドキュメント、ドライブなどの G Suite アプリをプライベートでも使用しているユーザーが 10 億人以上もいる理由です。古いやり方でパソコンにコンテンツを保存する代わりに、G Suite は作業内容をクラウドに安全に保存し、チームが作成したコンテンツの限界を押し上げる手段を提供します。

ドキュメント、スプレッドシート、スライドに費やす時間の 74% が共同作業にあてられている、つまり複数のユーザーが共同してコンテンツを作成したり、編集したりしています。これはデスクトップ クライアント上で個別に作業を行っていた以前のツールと大きく異なる点です。

Google は、このように仕事の進め方を変革しています。詳しくは、G Suite のウェブサイトをご覧いただくか、明日の G Suite アップデート ブログの更新をお待ちください。Next でリリースされるいくつかの新しい機能について詳しくは、G Suite アップデート ブログでご案内します。

*G Suite の Trusted Tester とアーリー アドプター プログラムは、近く Alpha と Beta にそれぞれ名称変更される予定です。詳細は後日お知らせします。